サンシメオンのキタゾウアザラシ観察ガイド|季節ごとの見どころとHearst Castle周辺観光
カリフォルニアの海岸で、巨大な野生動物に会える場所があります。
カリフォルニア中央海岸、Highway 1沿いの小さな町サンシメオンの近くには、野生のキタゾウアザラシが大群で上陸する海岸があります。
動物園でもサファリパークでもなく、自然のままの海岸で、大きなオスでは体重が2トン近くにもなる巨大な海洋哺乳類を間近に眺められる場所です。
しかも無料で、予約もいりません。
砂浜に寝そべる姿は、一見するとただ昼寝をしているだけに見えます。
けれど実際には、出産、授乳、換毛、絶食、体力の回復といった、命をつなぐための大切な営みの真っ最中です。
今回は、行き方や見どころだけでなく、キタゾウアザラシの生態、季節ごとに変わる風景、観察のマナー、そしてHearst Castleをはじめとする周辺スポットまでをまとめてご紹介します。

サンシメオンの海岸でアザラシの大群が見られるって本当ですか?しかも無料って!

本当ですよ。
ただの“かわいい動物スポット”じゃなくて、季節ごとに出産や換毛が見られる本物の野生の海岸。
マナーと一緒にじっくり解説しますね。


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1. サンシメオンとは?海岸・桟橋・Hearst Castleが集まる小さな海辺町
サンシメオン(San Simeon)は、カリフォルニア中央海岸のHighway 1沿いに位置する、こぢんまりとした海辺の町です。
派手な観光都市ではありません。
けれど、その周辺にはSan Simeon Cove、San Simeon Bay Pier、丘の上にそびえるHearst Castle、
そして北側のPiedras Blancas周辺に広がるキタゾウアザラシの観察地まで、見どころがぎゅっと凝縮されています。
海岸の景観、野生動物の観察、歴史ある桟橋、灯台、そして壮麗な邸宅。
これらを一日のうちに組み合わせて楽しめるのが、このエリアならではの魅力です。
海上交通と沿岸産業が交わった歴史
サンシメオンの歴史を一言でまとめるなら、海上交通と沿岸産業が出会った場所、と表現できます。
San Simeon Pier(桟橋)は19世紀後半に整備され、捕鯨、海運、ケルプ(海藻)の収穫といった中央海岸の産業を支えてきました。
のちにはHearst Castle建設のための資材搬入にも使われています。
現在レクリエーション用として親しまれている桟橋は、1957年に建てられたものとされています。
さらに北側のPiedras Blancas Light Station(灯台)は1875年に建設され、岩礁の多い危険な海岸を航行する船に警告を送る役割を担ってきました。
つまりサンシメオンは、海上交易、灯台、港湾、そして観光地化が幾重にも重なってできた歴史を感じられる場所の一つです。
Hearst Castleとセットで訪れる人が多い
サンシメオンを訪れる人の多くは、Hearst Castle観光と組み合わせて立ち寄ります。
桟橋、灯台、野生動物、そして海岸の交通史。
これらをひと続きの物語として眺めると、サンシメオンらしさがより深く伝わってきます。
ここからは、いよいよこの旅の主役であるキタゾウアザラシの観察地へと話を進めていきましょう。

2. Elephant Seal Vista Pointとは?無料で見られるキタゾウアザラシの大群
キタゾウアザラシ観察の中心となるのが、Elephant Seal Vista Point(Piedras Blancas Elephant Seal Viewing Area)です。
Hearst Castleの北側、Point Piedras Blancas周辺に位置し、Highway 1を走っていれば自然に通りかかる場所にあります。
ここは投稿日現在だと無料で、予約もいりません。
駐車場に車を停めて、そのまま立ち寄れる観察スポットとして親しまれています。
ボードウォークから群れを眺める場所
駐車場の北側と南側には、それぞれボードウォーク(遊歩道)と観察エリアが整備されています。
大切なのは、ここが海水浴のためのビーチではないという点です。
砂浜に降りて遊ぶ場所ではなく、キタゾウアザラシが上陸し、繁殖、出産、換毛、休息を行うための海岸です。
観察はあくまでボードウォークや柵の上から行います。
数百頭ものゾウアザラシが砂浜にびっしりと横たわる光景は、初めて目にするとかなりのインパクトがあります。
鳴き声、砂をかける音、オス同士のぶつかり合い。
静かな海辺に、生き物たちの気配が満ちています。
立ち寄る前に知っておきたいこと
ひとつ実用的な注意点として、観察エリアにはトイレがありません。
立ち寄る前に、近くの施設で済ませておくと安心です。
代替の候補としては、南側のWilliam R. Hearst Memorial Beachや、
観察エリアから約7.8マイル南のサンシメオン中心部にあるElephant Seal Visitor Center周辺などが挙げられます。
基本情報
- 名称:Elephant Seal Vista Point / Piedras Blancas Elephant Seal Viewing Area
- 見られる動物:キタゾウアザラシ
- 料金:無料
- 予約:不要
- 観察方法:ボードウォーク・観察エリアから眺める
- 注意点:トイレなし。事前に済ませる
それでは、ここで見られるキタゾウアザラシとは、そもそもどんな動物なのでしょうか。
3. キタゾウアザラシとは?北半球最大級のアザラシを知る
この海岸で見られるのは、キタゾウアザラシ(Northern Elephant Seal)です。
学名はMirounga angustirostris。
哺乳類であり、アザラシ科(Phocidae)に分類されます。
北半球では最大級のアザラシとされ、成熟したオスは体長4メートル、体重2トン近くに達することもあります。
オスの大きな鼻が名前の由来
「ゾウアザラシ」という名前は、成熟したオスの大きく垂れ下がった鼻に由来します。
オスは非常に大きく育ち、メスや若い個体とは体の大きさも見た目もかなり違います。
この性別による差の大きさ、いわゆる性的二型の強さが、この動物の特徴のひとつです。
砂浜で頭を持ち上げ、鼻をふくらませて低く吠える大きなオスの姿は、繁殖期の海岸を象徴する光景といえます。
「elephant seal」とだけ書くと混同しやすい
ひとつ言葉の注意点があります。
英語で単に「elephant seal」と書くと、南半球に生息するミナミゾウアザラシ(Southern Elephant Seal)と混同される場合があります。
サンシメオンで見られるのは北半球のキタゾウアザラシなので、この記事では一貫してキタゾウアザラシと記します。
また、ヒレを立てて体を起こすアシカやオットセイとも別の仲間です。
キタゾウアザラシは、海では深く潜って暮らす、高度に適応した海洋哺乳類です。
キタゾウアザラシ 基本データ
- 日本語名:キタゾウアザラシ
- 英語名:Northern Elephant Seal
- 学名:Mirounga angustirostris
- 分類:哺乳類・アザラシ科
- 特徴:大型の体、オスの大きな鼻、強い性的二型
- 見られる場所:カリフォルニア中央海岸、サンシメオン周辺など
陸で寝ているように見えるこの動物が、海ではどんな暮らしをしているのか。
次の章でのぞいてみましょう。

4. 何を食べる?どこまで泳ぐ?キタゾウアザラシの海での暮らし
海岸にいるあいだ、キタゾウアザラシは基本的にえさを食べません。
陸では繁殖、授乳、換毛、休息といった営みに専念し、体に蓄えた脂肪をエネルギーと水分の両方の源として使いながら過ごします。
砂浜で見かける個体は、いわば断食をしながら次の生活段階に備えているわけです。
海では長距離を泳ぎ、深く潜る
海に戻ると、キタゾウアザラシの暮らしは一変します。
長い距離を移動し、深い海へと潜って獲物をとります。
えさは魚類やイカ類などの海の生き物です。
研究によれば、オスとメスでは採食する場所や行動のパターンが異なるとされています。
オスは大陸棚の縁あたりで底生の獲物を狙う傾向があり、メスは外洋の深い水域で獲物を追う傾向がある、と報告されています。
同じように砂浜で寝ているように見えても、海に出れば性別でまったく違う採食の戦略をとっているのです。
天敵はホホジロザメとシャチ
キタゾウアザラシにも天敵がいます。
ホホジロザメとシャチが主な捕食者として知られています。実際に、サメによるとみられる傷を負った個体が観察されることもあります。
サンシメオンの海岸の浅い岩礁帯やケルプの森が、離乳した子どもたちの泳ぎの練習場として役立っている可能性がある、という見方は、こうした捕食のリスクとよく結びつきます。
海での暮らし
- 陸上:繁殖・授乳・換毛・休息。基本的に食べない
- 海上:長距離の移動、深い潜水、採食
- 食べ物:魚類、イカ類など
- オスの採食:大陸棚の縁あたりで獲物を探す傾向
- メスの採食:外洋・深い水域で獲物を追う傾向
- 天敵:ホホジロザメ、シャチ
では、なぜこれほど多くのキタゾウアザラシが、わざわざサンシメオンの海岸に集まってくるのでしょうか。
5. なぜこの海岸に集まるのか?繁殖・出産・換毛のための上陸地
Piedras Blancas周辺の海岸は、キタゾウアザラシにとって繁殖、出産、換毛、休息の場所です。
ここはえさを食べる場所ではなく、命をつなぎ、古い体を入れ替え、長い旅の疲れを癒すための場所です。
季節ごとに役割が変わる海岸
この海岸の役割は、季節によって移り変わります。
冬は繁殖と出産の中心となり、春から夏にかけては換毛のために多くの個体が上陸します。
秋には若い個体が戻ってきて休みます。
一年を通して、海岸の主役が入れ替わっていくのが特徴です。
保護回復の時代に生まれた比較的新しい風景
この海岸のゾウアザラシ群は、古くからの名所というわけではありません。
Piedras Blancas周辺にゾウアザラシが定着し始めたのは1990年頃とされています。
San Miguel Island、San Nicolas Island、Año Nuevo由来の個体群が、この海岸に広がってコロニーを作っていったと考えられています。
1991年春には約400頭が換毛のために上陸したと伝えられ、いまでは8マイルほどの海岸一帯に2万5千頭以上が集まる、カリフォルニア中央海岸を代表する野生動物スポットになっています。
つまりサンシメオンのゾウアザラシ海岸は、保護によって個体数が回復していった時代に形づくられた、比較的新しい野生動物の風景なのです。
かつてキタゾウアザラシは、乱獲によって絶滅寸前まで追い込まれた歴史を持ちます。
そこからの回復は、保護の成功例としてしばしば語られます。
ただし、回復したからもう安心、と言い切れるわけではありません。
残されている課題については、後の章であらためて触れます。
季節によって役割が変わるということは、訪れる時期によって見られる風景もまったく変わるということです。
次の章で、年間カレンダーを見ていきましょう。
6. 季節ごとに何が見える?サンシメオンのキタゾウアザラシ年間カレンダー
キタゾウアザラシは通年観察できます。
ただし、季節によって見られる行動はまったく違います。
出産・繁殖を見たいなら12月〜3月、特に1月〜2月が大きな見どころです。4月〜8月は換毛、9月〜11月は若い個体の上陸や休息が中心になり、季節ごとに違う姿が楽しめます。「いつ行けばいいか」は、何を見たいかから逆算するのがおすすめです。
冬(12月〜2月):もっともドラマチックな季節
12月から2月は、出産、授乳、交尾、そしてオス同士の争いが見られる、もっとも見応えのある時期です。
特に1月から2月にかけては、母親と新生子の姿、繁殖をめぐるオスの迫力ある攻防など、海岸が一年でいちばんにぎやかになります。
春(3月〜5月):成長と換毛の季節
3月は、離乳した子どもたちが海に慣れていく時期です。
「swim school」とも呼ばれる、初めての海への進出が見られます。
子どもの成長物語として眺めると、とても味わい深い季節です。
4月から5月になると、メスや若い個体の換毛が中心になります。
群れは大きいものの動きは比較的少なく、生態をじっくり解説的に観察するのに向いています。
夏から秋(6月〜11月):大型オスと若い個体
6月から8月は、大型のオスの換毛の時期です。
頭数自体は少なめですが、迫力ある大きな個体を見やすいのが魅力です。
9月から11月は、若い個体(juveniles)が再び上陸して休む季節です。
混雑が比較的少なく、落ち着いて観察しやすい時期といえます。
| 時期 | 主体となる個体 | 見やすい行動 | 見どころ |
|---|---|---|---|
| 12月〜2月 | 母親・新生子・繁殖オス | 出産・授乳・交尾・オスの闘争 | もっともドラマ性が高い |
| 3月 | 離乳子 | 海に慣れる練習・集団行動 | 成長物語として面白い |
| 4月〜5月 | メス・幼獣 | 換毛・休息 | 生態解説向き |
| 6月〜8月 | 大型オス | 換毛・休息 | 迫力ある個体を見やすい |
| 9月〜11月 | 若い個体 | 上陸・休息 | 混雑少なめで観察しやすい |
冬はドラマチックに、春夏は換毛の観察に、秋は落ち着いた群れに。
目的に合わせて時期を選ぶと、満足度がぐっと高まります。
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7. 現地で見られる行動|寝ているだけに見えても、実はすごい
砂浜のキタゾウアザラシは、一日の多くを横たわって過ごします。
その一つひとつの姿には、ちゃんと意味があります。
少しだけ知識を持って眺めると、ここは「ただ動物が寝ている海岸」から「命のサイクルを観察できる場所」へと姿を変えます。
休息と砂かけ
多くの個体は、暖かい時間帯になると体を横たえて休んでいます。
これは怠けているのではありません。
絶食しながら体力を回復し、換毛に備える、省エネのための大切な時間です。
体の大きさをじっくり観察できる場面でもあります。
ヒレを使って体に砂をかける行動もよく見られます。
日差し対策や体温調整に関わる動きと考えられていて、かわいらしく見えますが、生理的には重要な意味を持っています。
オスの威嚇と母子の密着
冬になると、オス同士の威嚇や咆哮、体をぶつけ合うような小競り合い(sparring)が見られます。
これは縄張りと繁殖をめぐる競争です。
砂浜に響く低い鳴き声と、巨体同士のぶつかり合いは、冬の海岸を象徴する迫力ある場面です。
一方で、母親と生まれたばかりの子どもが寄り添う姿も冬の見どころです。
母親は短い期間に大量の栄養を与えて子どもを急速に育てます。
離乳子の集団と換毛
2月から3月にかけては、親離れした離乳子たちが集団でいる様子が見られます。
やがて海へと進出していく、その手前の時期です。
春から夏には、古い皮膚と毛を入れ替える換毛中の個体が増えます。
まだらにめくれた皮膚も、健康な生活サイクルの一部です。
| 行動 | 何をしているか | 見どころ |
|---|---|---|
| 休息 | 体力回復・絶食中の省エネ | 体の大きさがわかる |
| 砂かけ | 体温調整・日差し対策の可能性 | 生理的に重要な動き |
| オスの威嚇 | 縄張り・繁殖競争 | 冬の迫力ある場面 |
| 母子の密着 | 授乳・保護 | 冬の見どころ |
| 換毛 | 古い皮膚と毛の入れ替え | 春〜夏の生態観察向き |
| 離乳子の集団 | 親離れ後の若い個体 | 2〜3月に面白い |
どこで、どんな角度から眺めるか。
次は、おすすめの観察ポイントを整理します。
8. おすすめ観察ポイントと周辺ビューポイント
キタゾウアザラシの観察は、Elephant Seal Vista Pointの南北ボードウォークが基本です。
そこに、いくつかの周辺スポットを組み合わせると、海岸旅としての厚みが増します。
南側ボードウォークと北側ボードウォーク
主駐車場の南北に延びるボードウォークは、どちらもCalifornia Coastal Trailの一部です。
南側ボードウォークは、季節で変わる大群、母子、休息する個体、換毛中の個体などを見やすく、初めて訪れる人に向いています。
北側ボードウォークは、大群に加えて離乳子やオス同士の行動を、じっくり観察したい人に向いています。
両端ともバリアフリー対応の遊歩道と観察台が整っているとされています。
Boucher Trail
もう少し歩いて、海岸を俯瞰したい人にはBoucher Trailがおすすめです。
主駐車場の北端、または4分の1マイルほど北の小駐車帯から入れます。
往復約3.8マイル、難易度はeasy、所要1.5〜2時間ほどとされる、海岸線とゾウアザラシの群れを少し離れて眺められる写真向きのルートです。
ひとつ注意点として、Boucher Trailは犬を連れて入れません。
San Simeon Bay Pier と Hearst Memorial Beach
南へ少し下ると、William R. Hearst Memorial BeachとSan Simeon Bay Pierがあります。
桟橋と浜辺の散策がしやすく、海景、海鳥、季節によってはクジラの姿も楽しめます。
駐車場、トイレ、水道、ピクニック設備が整った公園型の施設で、観察エリアにはないトイレ休憩の場としても便利です。
Whale Trail と周辺絶景
サンシメオン中心部側には、Cavalier Oceanfront ResortのWhale Trailがあります。
外洋を見渡し、海岸からのクジラ観察(shore-based whale watching)の文脈で楽しめるスポットです。
一般利用時の駐車やアクセシビリティの条件は変わる場合があるため、訪れる前に最新情報を確認しておくと安心です。
Vista Pointでは群れの近景を、PierやWhale Trailでは海岸全体の広がりを。
役割を分けて回ると、それぞれの良さが引き立ちます。
| 場所 | 主に見えるもの | 向いている人 |
|---|---|---|
| 南側ボードウォーク | 大群・母子・換毛個体 | 初めての人 |
| 北側ボードウォーク | 大群・離乳子・オス同士の行動 | じっくり観察したい人 |
| Boucher Trail | 海岸線と群れの俯瞰(犬不可) | 歩きたい人・写真派 |
| San Simeon Bay Pier | 桟橋・海景・海鳥 | サンシメオンらしい景色 |
| Whale Trail | 外洋・クジラ観察の文脈 | 海岸全体を楽しみたい人 |
ここからは、観察するときの撮影のコツとマナーをまとめます。

9. 写真撮影のコツと観察マナー
キタゾウアザラシは野生動物です。
観察も撮影も、動物にストレスを与えないことを第一に考えます。
距離を守って静かに見る。
これは数ある観察のコツの中でも、いちばん大切な約束ごとです。
望遠レンズと双眼鏡が活躍する
迫力ある写真を撮るなら、望遠レンズや双眼鏡があると便利です。
近づくのではなく、離れたまま引き寄せて見る。
これが基本の考え方です。
北側と南側の両方の海岸を見るようにすると、見られる行動の幅が広がります。
短い滞在でも片側だけで終えず、両方をのぞいてみるのがおすすめです。
早朝が向く理由
早朝は、比較的活動的な様子を見やすい時間帯とされています。
暖かい日中は寝ている個体が多くなる傾向があります。
現地は年中風が出やすいので、重ね着、日焼け止め、つま先の閉じた靴があると快適です。
ドローン禁止と安全距離
観察エリア一帯では、ドローンの飛行は禁止されています。
そして何より大切なのが、安全な距離を保つことです。
観察エリアでは50〜100フィートが安全距離の目安とされ、ゾウアザラシが頭を持ち上げてこちらを見たら近すぎるサインです。一般的な陸上での観察ガイドラインでも、アザラシやアシカからは50ヤード(約150フィート)ほどを目安とし、観察時間は30分以内が勧められています。
日本語でまとめるなら、必ず柵やボードウォークの外には出ず、望遠で見る。
開放された浜辺では150フィート以上を基本にする。
静かに、短時間で、動物が反応しない範囲で観察する。
この姿勢を守れば、動物にも自分にも安全な観察になります。
| やると良いこと | 避けること |
|---|---|
| ボードウォークから見る | 柵の外へ出る |
| 望遠レンズで撮る | 動物に近づく |
| 静かに観察する | 大声を出す |
| 早朝を狙う | 暑い時間帯に長時間粘る |
| トイレを事前に済ませる | 現地にトイレがある前提で行く |
| 双眼鏡を使う | ドローンを飛ばす |
野生動物の暮らしを邪魔しない。
それが、この海岸でいちばん大切なマナーです。
10. Hearst Castleとあわせて回るモデルコース
サンシメオン観光では、Elephant Seal Vista PointとHearst Castleをセットで回るのが定番です。
どちらもHighway 1沿いにあり、ドライブの途中で無理なく立ち寄れます。
動物観察に加えて、海岸、歴史、建築、景色を組み合わせると、中央海岸らしい満足度の高い旅になります。
所要時間別のモデルコース
時間に合わせて、いくつかの回り方が考えられます。
短時間で楽しむなら、Elephant Seal Vista Pointの南北ボードウォークを1〜2時間ほどかけて往復するコースです。
半日あるなら、Elephant Seal Vista PointからSan Simeon Bay Pier、Hearst Memorial Beachへと足を延ばすコースが組めます。
動物観察と海辺の散策をバランスよく楽しめます。
半日から1日かけるなら、Elephant Seal Vista PointとHearst Castle、San Simeon Bay Pierを組み合わせるのがおすすめです。
丸一日使えるなら、Hearst Castleの見学からElephant Seal Vista Point、Boucher Trail、Whale Trailまでをつなぐ、欲張りなコースも楽しめます。
| 所要時間 | ルート |
|---|---|
| 1〜2時間 | Elephant Seal Vista Point 南北ボードウォーク |
| 半日 | Elephant Seal Vista Point → San Simeon Bay Pier → Hearst Memorial Beach |
| 半日〜1日 | Elephant Seal Vista Point → Hearst Castle → San Simeon Bay Pier |
| 1日 | Hearst Castle → Elephant Seal Vista Point → Boucher Trail → Whale Trail |
回る前に確認しておきたいこと
計画を立てるときは、いくつか事前確認をしておくと安心です。
Hearst Castleのツアー時間や予約状況は変わる場合があるため、訪れる前に公式情報で確認しておきましょう。
Highway 1の道路状況も、中央海岸では更新頻度が高いので、出発前にチェックしておくのがおすすめです。
動物観察は日没までが目安です。
一日のコースを組むときは、時間配分にゆとりを持たせてください。
それでは最後に、サンシメオンの旅をまとめます。
11. まとめ|サンシメオンは“巨大アザラシを見に行くだけ”では終わらない
サンシメオンの海岸は、野生のキタゾウアザラシの大群を、無料で間近に観察できる貴重な場所です。
ただ眺めるだけでも十分に迫力があります。
けれど、その生態を少し知っておくと、見え方がぐっと変わります。
季節ごとに、出産、授乳、交尾、換毛、離乳子の成長と、まったく違うドラマが繰り広げられます。
砂浜で休む一頭一頭が、命のサイクルのどこかにいるのだと思うと、観察の時間がずっと豊かになります。
San Simeonの町、桟橋、灯台、そしてHearst Castle。
これらを組み合わせれば、中央海岸らしい奥行きのある旅になります。
最後にもう一度だけ。
ここは、距離を守って、静かに、野生動物の暮らしを少しだけ見せてもらう場所です。そっと眺めて、そっと帰る。
その姿勢が、この海岸の風景をこれからも守っていきます。
こんな人におすすめ
- 野生動物が好きな人:キタゾウアザラシの大群を観察できる
- 子どもと学び旅をしたい人:生態・季節・保全を学べる
- Highway 1をドライブする人:立ち寄りやすい絶景スポット
- Hearst Castleに行く人:セットで回りやすい
- 写真を撮りたい人:望遠で迫力ある群れを撮れる
情報確認について
本記事は2026年6月確認時点で、Visit San Simeon、Friends of the Elephant Seal、NOAA Fisheries、Bureau of Land Management(Piedras Blancas Light Station)などの公的・公式情報を主要な参照元として作成しています。
観察できる行動や混雑は季節や天候、年によって変わります。
Boucher Trailやボードウォークの開放状況、Piedras Blancas Light Stationのツアー実施日・予約・アクセシビリティ、Hearst Castleのツアー時間、Highway 1の道路状況、各施設の駐車・トイレの条件などは変更される可能性があります。
また、2026年2月から3月にかけて、カリフォルニアの海洋哺乳類で高病原性鳥インフルエンザ(HPAI H5N1)の発生が確認され、キタゾウアザラシでも陽性例が報告されました。
この発生は2026年5月時点で公式に終息したとされていますが、野生動物の疾病情報は今後も更新される可能性があります。
病気やけがをしている個体や死んでいる個体には決して近づかず、お出かけ前に各施設の公式情報や現地の最新案内でご確認ください。
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