米国起業の失敗談|プリウス30台の貸し出しで5万ドル損失、得た3つの教訓

はじめに

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失敗をすると、どうしても損失や悔しさばかりが目に入ってしまいます。

できれば失敗そのものを避けたい、と思ってしまうのですが……。

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お気持ちはよく分かります。

ただ、失敗を「収穫」として捉え直すと、同じ出来事でも見え方が変わってくるんです。

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収穫、ですか。今日はどんなお話でしょう?

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エコドライブがコロナ禍で経験した、かなり痛い失敗の後半です。

フードデリバリーのドライバー向けに車の貸し出しを始めたところから、その施策がどう崩れ、最終的に何が残ったのかまでをお話しします。

この記事は前後編の後編です。コロナ禍で在庫を70台抱え、フードデリバリーのドライバー向けに車を貸し出すというアイデアにたどり着くまでの経緯は、前編でお話ししています。 ▶ 前編:アメリカ起業の失敗談|在庫70台を救うはずだった車の貸し出しの誤算

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フードデリバリー向けの貸し出しは、最初はうまくいった

デリバリー向けに貸し出した車

ちょうどコロナの頃、大量の在庫を抱えていたので、フードデリバリーのドライバー向けに車を貸し出したらどうだろう、と思いついたのがきっかけでした。

そのアイデアを形にしたところ、反応は大きく、一気に30台ほど貸し出すことができました

この時は、これで生き延びられる、という手応えがありました。

ところが、本当の勝負はここからでした。

しかし、支払い遅延と「未返却」が始まった


貸し出しを始めてしばらくすると、支払いの遅延が次々と起こり始めました。

そして、もっと厄介だったのが未返却です。

お金を払えないのであれば車だけでも返してほしい、とお願いしても、その車がなかなか返ってこないのです。

貸し出しビジネスでは「支払い遅延」より「未返却」の方が深刻化しやすい

車両や機材の貸し出しでは、支払い遅延そのものも問題ですが、より深刻になりやすいのは資産そのものが戻ってこない状態です。

なぜなら、未返却になると新たな貸し出しができず、回収コストまで発生し、さらに資産価値の低下まで重なることがあるからです。

つまり、貸し出し型のビジネスでは、売掛金の問題だけでなく、資産回収のリスク管理そのものが重要になります。

回収しても、原型をとどめていない車が多かった

回収した損傷した車両

そこで、探偵のような専門の会社にお金を払って、車を探してもらうことにしました。

ただ、これが決して安くはありません。

回収そのものに、まとまった費用がかかっていきました。

回収コストは、見落とされやすい運用負担のひとつ

新しい施策やサービスを考える時は、どうしても売上や需要の見込みに目が向きがちで、回収・追跡・再商品化にかかるコストは想定から漏れやすいものです。

特に車両のような移動する資産では、場所の特定、回収手配、輸送、状態確認まで含めると、表面上見えている以上に運用負担が重くなることがあります。

そのため、貸し出し型の施策では、契約時の条件だけでなく、問題が起きた時にどう回収するかまで含めて設計する必要があります。

しかも、費用をかけて見つけ出しても、原型をとどめていない、というパターンが少なくありませんでした。

ひどい時にはパーツをすべて外され、何もついていない、いわば亀のような状態で放置されていたこともありました。

タイヤすらついていない、そんな車もあったのです。

在庫ビジネスでは「戻ってきた」だけでは価値にならない

在庫や貸出資産は、手元に戻ってくればそれで価値が戻るわけではありません。

再び販売・貸し出しできる状態でなければ、実務上は商品価値を大きく失っていることがあります。

外装の損傷だけでなく、臭い、内装の汚れ、部品欠損のような問題も、再商品化コストや販売難易度を一気に引き上げる要因になります。

そのため、資産型のビジネスでは、「返却されたかどうか」だけでなく、どの状態で返ってくるかまでが重要な管理項目になります。

東海岸で見つかるなど、想定外の損失が続いた


私たちの拠点は西海岸なのですが、なんと東海岸で車が見つかった、ということもありました。

そうなると、東海岸から西海岸まで運んでくるだけでも、かなりの費用がかかってしまいます。

しかも、ようやく運んできても車がボコボコで、とても商品にはできない、という状態も少なくありませんでした。

結局、二束三文で売るしかない、という形になっていったのです。

結局、5万ドル規模の損失になった

損失を示す下降チャートと電卓

一体いくらの損失が出たのか。

振り返ってみると、5万ドルほどの損失はあったように思います。

当時の私たちにとって、この金額の損失は、本当に大きなものでした。

もちろん、それ以上のフードデリバリーのドライバーの方向けの貸し出しは取りやめました。

短期的にキャッシュ化できても、最終損益では大きな損失になることがある

資金繰りが厳しい局面では、短期的にキャッシュが入る施策が魅力的に見えることがあります。

ただし、回収不能、修繕、輸送、値下げ処分などが重なると、最終的な損益では大きなマイナスになることもあります。

つまり、目先の現金化に一定の意味があったとしても、後から全体で見直すと、施策そのものの採算は別問題になる場合があるということです。

こうして振り返ると、これは大失敗でした。

その時は本当に大変だったのですが、後から考えてみると、実はたくさんの収穫があったのです。

大きな失敗は、需要の強さや商品の本質を逆に浮かび上がらせることがある

大きな失敗は損失だけが目立ちがちですが、その過程で市場の反応や商品の強みがはっきり見えることもあります。

特に、想定外の状況でも選ばれ続ける商品は、価格以外の強い理由で支持されている可能性があります。

そのため、失敗の振り返りでは「何が痛かったか」だけでなく、それでも残った需要や価値は何だったのかを見ることも重要になります。

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収穫①:トヨタ・プリウスの需要の強さ


まず分かったのは、トヨタのプリウスがこれほど人気なのか、ということでした。

とにかく需要がものすごくあるのだと、あらためて実感しました。

それだけ多くの人に認められている車なのだと思います。

燃費が良く、壊れにくく、使い勝手も良い。

運転しやすく、ガソリンを入れておけば走ってくれる、そんな安心感があります。

信頼の高い車なのだと再認識しましたし、私たちは本当に良い車を扱ってきたのだな、とも感じました。

収穫②:日本人のお客様との信頼関係


次に再確認したのが、これまで向き合ってきた日本人のお客様との信頼関係でした。

もちろん、国籍だけで人を判断する、という話ではまったくありません。

アメリカにも誠実なお客様はたくさんいらっしゃいますし、世の中には本当にいろいろな人がいる、ということなのだと思います。

これまで日本人のお客様にはたくさんの車を貸し出してきましたが、借り物だからときちんとメンテナンスをしてくださり、傷をつけたら報告してくださる。

返却の際も、そのままで大丈夫ですとお伝えしているのに、わざわざ洗車までして返してくださる方がたくさんいらっしゃいました。

これまでおよそ2000人の日本人のお客様に車を貸し出してきましたが、支払いがない、あるいは少し揉めた、というケースは、覚えている限り2件ほどです。

この話をアメリカ人の銀行員の方にしたところ、どうやってそんなことができるのか、と目を丸くして驚かれました。

というのも、その銀行員の方が見てきた顧客層では、支払いの遅延などから回収不能になる割合が、30%を超えることもある、という話だったからです。

貸し出し型ビジネスでは、料金設定だけでなく利用者との信頼関係も重要になる

車両や住居、設備などを一定期間貸し出すビジネスでは、価格や条件だけでなく、利用者との信頼関係が運営の安定性に大きく影響します。

支払いの確実性、使用ルールの順守、トラブル時の報告、返却時の状態などは、契約書だけでは完全に管理しきれない部分もあります。

そのため、貸し出し型の事業では、どういう利用者層と長く関係を築くかが、結果的に損失率や運用負担にもつながりやすいと言えます。

収穫③:エコドライブのチームの底力

危機を支えたチーム

そして、もうひとつの大きな収穫が、エコドライブのチームの底力でした。

あれほど厳しい局面でも、誰一人辞めなかったのです。

経費を抑えるのに必死で、私自身も含めてほとんど全員が解雇という形になりました。

自分で自分を解雇する、というのは、さすがに初めての経験でした。

それでも、みんながただただ耐えてくれたのです。

結果的には失敗でしたが、一時的にはキャッシュにはなったので、なんとか生き残ることができました。

この局面を乗り越えられたのは、チームの粘り強さがあったからこそだと思っています。

大きな失敗の局面では、組織の強さが数字以外のところに表れやすい

事業が厳しい局面に入ると、財務面だけでなく、組織がどれだけ踏ん張れるかが大きな差になります。

特に、急な環境変化や想定外の損失が出た時には、チームが崩れないこと自体が大きな資産になる場合があります。

危機の中でも現場が止まらず、最低限の運営を続けられるかどうかは、短期的な損失以上に、その後の立て直しに影響することがあります。

まとめ:どんな失敗にも、必ず収穫はある

今日お伝えしたかったのは、どんな失敗にも必ず収穫がある、ということです。

逆に考えると、収穫を得るためには失敗がつきものであり、失敗するためには、まず行動しなければなりません。

行動すれば、結果は成功か失敗のどちらかです。

成功すればもちろん良いですし、失敗しても収穫が得られる。

そう考えると、どちらも成功だと言えるのではないでしょうか

だとすれば、行動しない理由はありません。

失敗が収穫になるかどうかは、振り返り方で変わる

行動した結果として失敗が起こること自体は、珍しくありません。

ただ、その失敗を単なる損失で終わらせるか、次の判断材料に変えるかは、振り返りと整理の仕方によって変わります。

何が想定通りで、何が誤算だったのかを切り分けることで、失敗そのものが次の意思決定の材料になることがあります。

なぜ在庫を70台も抱えることになり、どういう狙いで貸し出しを始めたのか。今回の失敗に至るまでの経緯は前編にまとめています。 ▶ 前編:アメリカ起業の失敗談|在庫70台を救うはずだった車の貸し出しの誤算

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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