【自動運転完全ガイド】テスラFSDとWaymo(無人タクシー)を徹底比較: 自動運転レベル2/4の違い+カメラ式とLiDAR式は何が変わる?

はじめに

自動運転技術は、私たちの移動手段を根本から変えようとしています。

本ガイドでは、現在実用化されている自動運転技術の二大潮流であるテスラFSD(Full Self-Driving)とWaymoについて、実際の使用体験をもとに徹底的に解説します。

テスラFSDは、カメラベースのアプローチで「どこでも使える自動運転」を目指すシステムです。一方、WaymoはLiDARを中心とした複合センサーシステムで「特定エリアでの完全無人運転」を実現しています。両者は設計思想も技術的アプローチも異なりますが、いずれも自動運転技術の最前線を走るシステムとして世界中から注目を集めています。

本ガイドでは、サンフランシスコ中心街からヨセミテ国立公園まで約315キロメートルを実際にテスラFSDで走破した体験と、サンフランシスコ市内でWaymo自動運転タクシーに複数回乗車した体験をもとに、自動運転技術の現在地を多角的に解説します。

都市部の複雑な交通状況、フリーウェイでの高速走行、住宅街の狭い道、そして山岳地帯の山道まで、カリフォルニアの多様な道路環境で両システムがどのように動作するのかを詳細にレポートします。

📖 本ガイドで扱う内容

  • テスラFSD:サンフランシスコ〜ヨセミテ間約315km長距離走行体験(FSD ver12.5)
  • Waymo:サンフランシスコ市内4ルートの乗車体験
  • テスラFSD V14:最新バージョンの進化ポイント(補足)
  • 技術比較:両システムの設計思想と技術的アプローチの違い
  • 将来展望:Unsupervised FSDと自動運転の未来

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第1章:自動運転技術の基礎知識

自動運転レベルの定義

自動運転技術を理解する上で重要なのが、SAE(米国自動車技術者協会)が定義する自動運転レベルです。

レベル0からレベル5まで6段階に分類され、数字が大きくなるほど自動化の度合いが高くなります。

レベル0は運転支援なしの完全手動運転です。レベル1は車線維持支援やアダプティブクルーズコントロールなど、ステアリングまたは加減速のいずれかを支援するシステムです。レベル2は、ステアリングと加減速の両方を同時に支援しますが、ドライバーは常に監視義務を負い、いつでも運転に介入できる状態を維持する必要があります

レベル3以上になると、特定条件下でシステムが運転の主体となります。レベル3は条件付き自動運転で、システムが運転を担当しますが、システムからの要求があればドライバーが対応する必要があります。レベル4は高度自動運転で、特定の運行設計領域(ODD)内であればドライバーの介入なしに完全自動運転が可能です。レベル5は完全自動運転で、あらゆる条件下で人間の介入なしに運転できるシステムです。

現在、テスラFSDはレベル2、Waymoはレベル4に分類されています。この違いは、両システムの設計思想と技術的アプローチの根本的な違いを反映しています。

テスラFSD vs Waymo:技術的アプローチの違い

自動運転技術には大きく分けて2つのアプローチがあります。テスラが採用するカメラベースのアプローチと、Waymoが採用するLiDARベースのアプローチです。

テスラのアプローチは、人間が目と脳で運転するのと同じ哲学に基づいています。車両に搭載された8台のカメラが周囲360度をカバーし、約250メートル先まで検出可能です。イーロン・マスク氏はLiDARを「Crutch(松葉杖)」と表現し、適切にトレーニングされたAIとカメラの組み合わせで人間と同等かそれ以上の運転が可能であると主張しています。

一方、Waymoは複数のセンサーを組み合わせた冗長性の高いシステムを採用しています。最新の第六世代システムでは、13台のカメラ、4台のLiDAR、6台のレーダーなどが搭載されています。LiDARはレーザー光を使って周囲の物体との距離を正確に測定し、環境を3Dマップとして認識します。また「外部音受信機(EARs)」も備えており、緊急車両のサイレンなども事前に検知して適切な対応が可能です。

項目テスラFSDWaymo
センサー技術カメラのみ(ビジョンベース)LiDAR + カメラ + レーダー
利用可能エリアどこでも使用可能限定エリアのみ
運転レベルレベル2(運転手監視必要)レベル4(完全無人運転)
コスト比較的安価高価(LiDAR使用のため)
ネットワーク依存低い(オフラインでも動作可能)高い(HDマップ使用)
ビジネスモデル車両購入+オプション購入タクシーサービスとして提供

テスラFSDの大きな利点は、インターネット接続に依存しない点です。GPSとカメラセンサーで基本的な動作が可能なため、山間部やインターネット接続が限られているエリアでも機能します。

これに対し、Waymoは特定エリアの詳細なHDマップを事前に作成し、そのマップと実際のセンサー情報を照合しながら走行するため、サービス提供エリアが限定されます。

Waymoの歴史と進化

Waymoの開発は15年以上の歴史を持ち、その間に着実な進化を遂げてきました。

📅 Waymo開発の主要マイルストーン

  • 2009年:Googleプロジェクトとして自動運転開発開始。当初はトヨタプリウスを使用
  • 2014年:自社オリジナル車両「Firefly」を発表。ペダルもハンドルもない革新的デザイン
  • 2015年:テキサス州オースティンで世界初の完全自動運転走行を公道で実施
  • 2016年:Googleから分社化し「Waymo」として独立
  • 2018年:Jaguarとパートナーシップを締結。フェニックスで有料サービス「Waymo One」を開始
  • 2021年:サンフランシスコでのサービス展開開始
  • 2023年:ロサンゼルスでのサービス開始
  • 2024年:週あたり10万件以上の利用を達成。約8,400億円の大規模資金調達を完了

現在までにWaymoは実走行とシミュレーションを合わせて200億マイル(地球約80万周分)を走破しており、この膨大なデータが高い安全性を支えています。統計によると、物損事故は人間ドライバーと比較して88%減少、人身事故は92%減少という成果を上げています。

第2章:テスラFSD – 長距離ドライブでの性能検証

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🔗 関連記事:テスラFSDの詳細な体験レポートは以下の記事をご覧ください。

FSD ver12.5の主な改善点

サンフランシスコからヨセミテまでの長距離テストで使用したのはFSD version 12.5です。このバージョンでは、以前のバージョンと比較して大幅な改善が施されています。

最も大きな変化は、ドライバー監視方式の変更です。以前のバージョン(12.4.2以前)では、ハンドルを握ったり定期的に圧力を加える必要がありましたが、12.5以降では車内カメラによるドライバーの視線チェックのみとなり、常にハンドルを握っている必要がなくなりました。これにより、腕の疲れを感じることなく、より快適なドライブが可能になっています。

📱 FSD ver12.5の主な改善点

  • 視線チェック方式への変更:ハンドル握持が不要に
  • 市街地と高速道路の統合:システムが統合され、より一貫した走行
  • 物体認識の向上:歩行者、バイク、工事用コーンの識別精度が向上
  • Phantom Braking削減:不必要な急ブレーキが大幅に減少
  • End-to-Endアプローチ:AIが映像データから判断・操作まで一貫して実行

都市部でのFSD性能

テスラFSDにとってサンフランシスコは最も挑戦的な環境の一つです。急な坂道、路面電車、自転車レーン、歩行者、そして複雑な交差点が入り混じる都市環境で、FSDは驚くほどスムーズに動作しました。

サンフランシスコ特有の急な坂道でも安定した動作を見せました。坂道発進時のスムーズな加速、下り坂での適切な減速、そしてカーブでの安定したハンドル操作は、人間のドライバーと遜色ないレベルでした。

FSDは、ほとんどの場合で正確に該当する信号を認識し、適切に停止・発進を行いました。赤信号での停止、黄信号での減速判断、青信号での発進タイミングは、いずれも人間のドライバーが行うものと同等以上の精度でした。

フリーウェイでの長距離走行性能

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🔗 関連記事:フリーウェイ走行の詳細は以下の記事をご覧ください。

ベイブリッジ(サンフランシスコ・オークランド・ベイ・ブリッジ)は、サンフランシスコ市とオークランド市を結ぶ全長約7.2キロメートルの橋で、日交通量は約27万台に達します。上下2層構造で、途中でイェーバ・ブエナ島を通るトンネルがあり、橋の構造も途中で変わります。FSDは、橋上の複雑な車線構成やトンネル通過時の光量変化にも適切に対応しました。

FSDがONの状態では、車線変更が2つのパターンで実行されます。

  1. 自動判断による車線変更:FSDが状況を判断して自動的に車線変更を行います。前方に遅い車がいる場合や、出口に近づいている場合に、システムが最適なタイミングで車線変更を実行します。
  2. ドライバー誘導による車線変更:ドライバーがウインカーを出した後、FSDが適切なタイミングで実行します。周囲の車両との距離を正確に測定し、安全が確認できるタイミングでのみ車線変更を行います。

I-580フリーウェイでの走行では、FSDの安定性を十分に実感できました。時速65〜75マイル(約105〜120km/h)での巡航中、車線中央を正確にキープし続け、前方車両との車間距離も適切に維持しました。

前方の車両がブレーキをかけた際の反応も優秀です。FSDは、前方車両のブレーキランプを認識すると即座に減速を開始し、急ブレーキを避けながら安全な車間距離を維持します。この反応は人間のドライバーよりも素早く、一貫性があります。

FSDの技術的課題と限界

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🔗 関連記事:FSDの課題と限界の詳細は以下の記事をご覧ください。

今回の走行では、FSDが示すいくつかの課題も観察されました。これらは自動運転技術の現在の限界を理解する上で重要な事例です。

⚠️ 重要:本セクションに記載されている課題については、随時アップデートで解消される可能性がありますのでご了承ください。

大型トラック周辺での不安定な動作

大型トラック周辺での動作において、予期しない挙動が観察されました。右側車線の大型トラックの横を通過しようとする際、左後方から接近する車両を認識しているにもかかわらず、なぜか右車線(トラック側)への車線変更を試みるケースがありました。

車線合流時の判断課題

車線合流時にも複雑な状況判断の課題が見られました。右車線が合流で消失することを認識し、左車線への変更を試みる際、左後方からの車両接近で警告が表示されるケースがありました。この状況ではFSDが事前に合流を認識していたため、事前に最左車線への移動、合流するトラックに合わせた減速、またはより早い段階での車線変更判断が理想的でした。

※この現象はV13では確認できず、アップデートされた可能性があります。

NHTSA調査と安全性の課題

2024年に米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)が約240万台のテスラ車を対象とした調査を開始しました。FSD関連事故が強い日差し、霧、粉じんなどの視界不良状況で発生しており、1件は死亡事故となっています。

この調査は、FSDが視界不良状況を適切に検知し、どう対応できるかを評価するものです。カメラベースシステムの根本的な課題として、人間と同様に悪天候や視界不良時の判断能力に限界があることが浮き彫りになっています。

✅ FSDの利点

  • 長距離運転での疲労軽減
  • 死角カバーによる安全性向上
  • 一定の判断による運転の安定性
  • 複数カメラでの全方位監視
  • インターネット接続なしでも動作可能

⚠️ 注意すべき状況

  • 大型トラック周辺での走行
  • 複雑な車線合流地点
  • 視界不良時(霧、強い日差し)
  • 複数の判断が重なる状況

山岳地帯でのFSD

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🔗 関連記事:山岳地帯での走行詳細は以下の記事をご覧ください。

最終ステージの舞台となるCA-140号線は、平坦な農業地帯から山岳地帯へと景色が劇的に変化する、カリフォルニア屈指のダイナミックなドライブルートです。

山岳地帯での走行では、いくつかの技術的課題が観察されました。

カーブ走行の不安定性:急カーブでは時として大回りしすぎて対向車線にはみ出しそうになる傾向が見られました。崖近くの道路では特に注意が必要な状況です。

速度調整の課題:急カーブでは極端に速度が落ち、追い越し車線のない山道では後続車両を待たせてしまう可能性があります。

視線検知の敏感さ:カーブの内側に目を向けると「前方を見てください」という警告が出ることがあり、人間の自然な運転行動との若干の齟齬が見られました。

しかし、FSDの大きな強みは、ネットワーク接続が限られる環境でも動作する点です。ヨセミテ国立公園周辺の山岳地帯では携帯電話の電波が届かないエリアが多く存在しますが、FSDは基本的にGPSとカメラセンサーで動作するため、走行自体は可能です。

📶 山岳地帯でのナビゲーション注意点

  • 事前設定:ネットワーク接続のある場所で目的地を設定
  • ルート変更リスク:FSDが別ルートを選択した場合の再検索ができない
  • 道迷いのリスク:標識が少ない山道で道を間違えると充電切れの危険性
  • 対策:事前のマップダウンロードと十分な充電確保

第3章:Waymo自動運転タクシー – 完全無人運転の実力

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🔗 関連記事:Waymoの詳細な乗車体験は以下の記事をご覧ください。

Waymoの乗車体験

Waymoに乗車すると、まずリラックスできる音楽が流れ、広々とした車内で快適な旅がスタートします。使用している車種はJaguarのI-PACE電動SUVで、高級感のある内装と座り心地の良いシートが印象的です。

Waymoはまるで熟練ドライバーのように運転することができます。一時停止の標識では完全に停止し、交差点では周囲の車の動きを見極めて進みます。特に印象的だったのは、路上駐車をしようとしている車に対して、Waymoがその意図を理解し、適切な距離を保ちながら待機する様子でした。

Waymoの運転で特に印象的だったのは、その「丁寧さ」です。急ブレーキも急発進もなく、まるで経験豊富な優しいドライバーが運転しているかのような感覚。車線変更も滑らかで、前方に人がいれば緩やかに避け、通り過ぎたら元の位置に戻るという自然な動きを見せます。

「いかにもコンピュータが運転している」という印象はなく、丁寧で人間らしいスムーズな運転が印象的でした。

緊急車両への対応

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🔗 関連記事:緊急車両・渋滞への対応詳細は以下の記事をご覧ください。

自動運転車の実力を測る重要な指標の一つが、緊急車両への対応です。

走行中、後方から緊急車両のサイレンが聞こえてきた際のWaymoの対応は見事でした。カリフォルニア州では緊急車両がサイレンを鳴らして接近する場合、可能な限り右側に寄せて停止することが義務付けられていますが、Waymoはサイレンを察知してすぐに右側に車を寄せて停止。

音声認識システムにより、視覚的に認識する前から事前に安全な対応ができるという高度な機能を目の当たりにしました。

🚨 Waymoの緊急車両対応機能

  • 外部音受信機(EARs):緊急車両のサイレンを事前に検知
  • 即座の対応:視覚認識前に音声で察知し、右側へ寄せて停止
  • 法令遵守:カリフォルニア州の交通法規に完全準拠

渋滞での対応も人間のドライバーと遜色ありません。渋滞の中での車線変更は特に難しいものですが、適切なタイミングでウインカーを出し、周囲の車の協力を得ながら安全に車線変更を行いました。

住宅街での走行性能

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🔗 関連記事:住宅街での走行詳細は以下の記事をご覧ください。

サンフランシスコ南西部の住宅街は、信号が少なく、代わりに無数のストップサインと路上駐車の車が特徴です。Waymoはこれらの環境でも見事な運転を披露してくれました。

特に印象的だったのは、ストップサインでの停止と発進の滑らかさです。急ブレーキをかけることなく適切な位置で完全停止し、周囲の安全を確認してから緩やかに発進していました。左右折のスムーズさも特筆すべき点で、速度が遅くなりすぎることなく、快適な旋回を実現していました。

途中で「バンプ」または「ハンプ」と呼ばれる道路の隆起(速度抑制のための小さな丘)がある区間では、Waymoはその存在を事前に認識し、適切に減速。このため車体が大きく揺れることなく、乗客にとって快適な乗り心地を維持していました。

地面の微妙な起伏まで認識して速度調整を行う点は、まるで経験豊富な人間のドライバーのようです

悪天候への対応:サンフランシスコの霧

サンフランシスコの特徴的な気候要素の一つが「霧」です。特に夏場の朝や夕方に発生しやすく、地元の人々はこの霧に愛着を持ち「Karl(カール)」という名前まで付けているほどです。

一般的に霧は自動運転車のカメラやセンサーの視認性を低下させる要因となりますが、Waymoの高精度LiDARセンサーは霧の粒子を透過する能力を持つため、悪天候下でも距離や形状を正確に認識できます。

複数種類のセンサー(LiDAR、カメラ、レーダー)を搭載し、それぞれが異なる特性を補完し合うことで、あらゆる天候条件下での安全な走行を実現しています。

Waymo利用のメリットと注意点

✅ Waymo利用のメリット

  • 駐車場探しの手間が不要:専用駐車場がない人気スポットでも気軽に訪問できる
  • スマホ完結の便利さ:アプリで呼び出しから決済まで全て完了
  • 公共交通機関より柔軟な移動:バス停やメトロ駅から遠い場所へも直接アクセス可能
  • 安全で快適な乗り心地:急な坂が多いサンフランシスコでも安心して移動できる
  • 言語の壁がない:ドライバーとのコミュニケーションが不要

⚠️ Waymo利用時の注意点

  • 利用可能エリアの制限:現時点ではサンフランシスコ市内の一部エリアのみ対応。ゴールデンゲートブリッジを渡ることはできない
  • 混雑時の待ち時間:観光客が多い日や時間帯は到着が遅れることがある
  • 乗車人数の制限:最大4名まで
  • 大きな荷物の制限:大型のスーツケースなどは積載できない場合がある

Waymoの最新動向

東京進出計画

最も注目すべきニュースの一つが、Waymoの東京進出計画です。2024年12月、WaymoとJapan Taxi(日本交通)、タクシーアプリのGOが提携し、東京での自動運転タクシー導入を加速させるプロジェクトが発表されました

初期フェーズとして2025年に東京都心で開始予定で、まずは日本交通の乗務員がWaymo車両を手動で運転し、東京の公道に自動運転技術を導入するためのテストを行うとのことです。対象エリアは港区、新宿区、渋谷区、千代田区、中央区、品川区、江東区となっています。

Hyundaiとの戦略的パートナーシップ

2024年10月にはHyundai Motor Company(ヒュンダイ)との複数年にわたる戦略的パートナーシップを発表。Waymoの第6世代自動運転技術「Waymo Driver」をヒュンダイの電気自動車「IONIQ 5」に組み込む計画です。2025年後半から公道でのテストを開始し、数年以内にWaymo Oneの車両として運用される予定です。

技術革新:EMMA

2024年10月末には、最新の研究モデル「EMMA」(End-to-End Multimodal Model for Autonomous Driving)について発表がありました。これはGoogle DeepMindが開発した「Gemini」の技術を活用した自動運転特化型AIモデルです。EMMAの特徴は、複数のタスクを同時に学習でき、運転ルートの計画や3D物体検出、周囲状況の理解などの分野で優れた性能を発揮することです。

第4章:テスラFSD V14 – 最新バージョンの進化(補足)

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本章では、テスラFSDの最新バージョンであるV14.2.1の進化ポイントを補足的に解説します。V12.5からさらに進化した機能について、実際の使用体験をもとにお伝えします。

起動のシームレス化

FSD V14.2.1で最も注目すべき進化は、自動運転の起動がよりシームレスになった点です。「スタートセルフドライビング」というボタンを押すだけで、どの状態からでも自動運転を開始できるようになりました。

以前のバージョンでは、自動運転を開始するためにブレーキを強く踏み込む必要がありました。小さなことではあるものの、日常的には負担として積み重なりやすい動作でした。しかしバージョン14.2.1では、ブレーキを強く踏み込む動作が不要になり、起動までの流れが一段とシームレスになりました。

前方に障害物がある場合でも、車が自動的にバックしてくれる挙動を確認できました。車両が自ら後退し、前方の障害物を避けたうえで車道へ出ていく流れで、状況判断から行動までが自律的に行われます。

ナビなしでの走行機能

V14では、ナビを設定しなくてもスタートセルフドライビングを押せば走り出すという挙動が追加されました。行き先が設定されていない場合、近所を周回し続けるような動きになります。その周回走行の途中でナビを設定すると、そこから目的地に向けて走り出す流れになります。

車に乗り込んでから目的地をゆっくり考えたいときや、とりあえず走り出したいものの行き先をまだ決め切れていないときなどには、使い方次第で便利な場面があるかもしれません。

新しい運転モード:ハリーモードとマッドマックスモード

V14から追加された機能の一つとして、ハリーモードマッドマックスモードという運転モードが追加されました。

ハリーモードは「急いでいるとき」に選択するモードで、マッドマックスモードは「より急いでいるとき」に選択するモードです。一般道で走行している範囲では、両モードの違いは大きく体感できませんでしたが、高速道路では、マッドマックスモードのほうが車線変更などをより積極的に行う可能性があります。

これらのモードは、時間に追われているときや、効率よく移動したいときに役立つ機能です。ただし、あくまでも安全の範囲内での積極性であり、無理な運転を行うものではありません。

目的地でのパーキング指示機能

V14では、目的地でのパーキング方法を指示できるようになりました。路上に停車するのか、一般的な駐車場に入庫するのかを選択できるようになっています。

いずれのパターンでもかなりスムーズに止めてくれ、駐車動作は滑らかで、正確さという面では人間の駐車よりも効率的に感じる場面もありました。これは特に駐車が苦手な方にとって、非常にありがたい機能です。

V14で気になった点

一つ気になったのは、小道から大通りに出るときの挙動です。右左折して合流する際の判断が、全体としてかなり慎重です。安全性が高まったと言えばそのとおりですが、場合によっては後ろの車からクラクションを鳴らされかねないレベルと感じるほど慎重なケースもありました。

これはテスラが安全性を最優先にしていることの表れでもあります。事故のリスクを徹底的に抑えるため、慎重さを優先した判断を行う設計思想は理解できますが、状況によっては、もう少し積極的に合流できるよう調整されると、さらに使いやすくなると感じました。今後のアップデートでの改善に期待したいところです。

📱 FSD V14.2.1の主な新機能まとめ

  • 起動のシームレス化:ボタン一つでどの状態からでもスタート可能
  • 障害物自動回避:前方に障害物があっても自動でバックして回避
  • ナビなし走行:目的地未設定でも走行開始可能
  • ハリーモード/マッドマックスモード:急ぎ度合いに応じた運転スタイルの選択
  • パーキング指示機能:路上停車か駐車場入庫かを指定可能

第5章:両システムの比較と使い分け

用途別の適性

テスラFSDとWaymoは、それぞれ異なる用途に適しています。

テスラFSDが適している場合:

自分の車で長距離ドライブを楽しみたい方、サービスエリア外も含めて自由に移動したい方、ドライバーとしての関与を維持しつつ疲労を軽減したい方に適しています。長距離ドライブでの疲労軽減効果は顕著で、サンフランシスコからヨセミテまでの4時間30分の旅程を快適に完遂できました。ver12.5の視線チェック方式への変更により、腕の疲れを感じることなく運転できたことは大きな進歩です。

Waymoが適している場合:

完全に運転から解放されたい方、サービスエリア内での効率的な移動を求める方、車を所有していない方や駐車の心配をしたくない方に適しています。ドライバーとのコミュニケーションが不要なため、言語の壁がない点も利点です。

安全性の比較

安全性という観点では、両システムとも高いレベルにありますが、アプローチが異なります。

テスラFSDはレベル2のため、最終的な安全責任はドライバーにあります。システムが予期しない動作をした場合に即座に介入できる準備が常に必要です。一方で、人間のドライバーが持つ疲労や注意散漫といった問題を補完し、特に死角カバーや一貫した判断という点で安全性向上に貢献しています。

Waymoはレベル4のため、サービスエリア内では人間の監視なしで安全に運行できることが認定されています。複数のセンサーによる冗長性と、詳細なHDマップによる確実な走行が、高い安全性を実現しています。統計的にも、物損事故88%減、人身事故92%減という成果を上げています。

コストの比較

コスト面では、両システムは全く異なるビジネスモデルを採用しています。

テスラFSDは、車両購入費用に加えてFSDオプション(約12,000ドル〜、またはサブスクリプション)が必要です。一度購入すれば、走行距離や回数に関係なく使用できます。長期的に見れば、頻繁に使用するほどコスト効率が良くなります。

Waymoは、乗車ごとに料金が発生するタクシーモデルです。車両を所有する必要がなく、初期投資は不要です。使用頻度が低い場合や、短期滞在の場合に適しています。

第6章:将来の展望 – 完全自動運転への道

テスラのUnsupervised FSD

2024年10月のロボタクシーイベントでは、2025年に自動運転レベル5(Unsupervised FSD)の開始が発表されました。テスラはオースティン市当局と自動運転技術に関する協議を進めており、カリフォルニア州とテキサス州でUnsupervised FSD(完全無人運転)の導入が計画されています

現在のレベル2(運転手監視必要)から、ドライバーの監視が不要なレベルへの進歩は、自動運転技術にとって大きなマイルストーンとなります。人が関与せずに完全自動運転が可能になる日も、そう遠くないかもしれません。

Waymoの拡大計画

Waymoは2025年にマイアミへの進出を予定しており、2026年頃には一般ユーザーがアプリを使って利用できるようになる予定です。東京進出計画も含め、サービスエリアの拡大が着実に進んでいます。

また、HyundaiのIONIQ 5との提携により、車両ラインナップの多様化も進む見込みです。将来的には、より多くの自動車メーカーとの提携により、様々な車種でWaymoの自動運転技術を体験できるようになる可能性があります。

技術の継続的進化

両システムとも、ソフトウェアアップデートにより継続的に進化しています。テスラFSDは、世界中のFSD使用データを収集・分析し、システムの改善に活用しています。実際にV12.5で感じた不具合を最新バージョンでは体験しなかったものもありました。

Waymoも、新AIモデル「EMMA」の開発など、技術革新を続けています。事前にトレーニングされていない物体(例:犬)に対しても適切な行動ができるという柔軟性は、将来的により多様な環境での運用を可能にするでしょう。

重要なのは、これらの課題が技術の限界ではなく、継続的なアップデートによる改善対象であることです。

第7章:安全なFSD使用のための実践ガイド

即座の対応準備

FSDに何らかの問題が発生した場合、即座に手動運転に切り替えられるよう常に準備しておくことが最も重要です。ハンドルに手を添える必要はありませんが、必要な時にすぐにハンドルを握れる位置に手を置いておくことをお勧めします。

状況別のFSD使用判断

FSDの使用目的は快適な運転であり、不安を感じたら躊躇なくFSDを解除することが重要です。以下のような状況では、FSD解除を検討してください。

  • 大型車両が近くにいる状況(特にトラックの横通過時や合流時)で挙動が安定しないとき
  • 複雑な分岐や合流が連続する区間
  • 工事区間や車線が不明確な区間
  • 悪天候時(大雨、濃霧、強い日差し)

🛡️ 安全運転のための実践的アドバイス:

  1. 即座の対応準備:FSDに何らかの問題が発生した場合、即座に手動運転に切り替えられるよう常に準備
  2. 状況別判断:快適な運転が目的のため、不安を感じたら躊躇なくFSDを解除
  3. 継続的観察:特に大型車両周辺やナビゲーション判断時の動作を注意深く観察

電気自動車での長距離旅行ガイド

長距離ドライブで気になるのがバッテリーの残量ですが、テスラのナビゲーションシステムは途中で立ち寄るべきスーパーチャージャーを自動的に提案してくれます。基本的には提案されたルートに従うことで、問題なく目的地に到着できます。

🔋 スーパーチャージャー充電時間の目安

  • 0→50%充電:約10-15分
  • 0→80%充電:約25-30分
  • 満充電(100%):約40-50分
  • 推奨充電レベル:通常は80%まで(バッテリー保護のため)

テスラのスーパーチャージャーは決済が自動化されているため、現金やカードでのやり取りが不要です。車を駐車して充電ケーブルを接続するだけで充電が開始され、料金はアカウントに自動的に請求されます。

まとめ:自動運転の現在地と未来

サンフランシスコからヨセミテまでの315キロメートルの長距離ドライブと、サンフランシスコ市内でのWaymo複数回乗車体験を通じて、自動運転技術の素晴らしい可能性と現実的な限界の両方を実感しました。

技術的成果

テスラFSDは、都市部から山岳地帯まで、多様な道路環境で実用的な性能を発揮することを実証しました。特に長距離での疲労軽減効果は顕著で、4時間30分の旅程を快適に完遂できました。ver12.5の視線チェック方式への変更により、腕の疲れを感じることなく運転できたことは大きな進歩です。V14ではさらに起動のシームレス化や新機能の追加が行われ、使いやすさが向上しています。

Waymoは、完全無人での自動運転を実現しており、都市部の複雑な交通環境でも優れた走行性能を発揮しました。緊急車両への迅速な対応、渋滞時のスムーズな車線変更、路面状況への細やかな対応など、まるで経験豊富な人間のドライバーが運転しているかのような自然さが印象的でした。

観察された課題

テスラFSDでは、大型トラック周辺での不安定な動作、車線合流時の判断、山道でのカーブ走行など、特定の状況では人間の判断が必要になることが明確になりました。Waymoでは、サービスエリアの制限という根本的な制約があります。しかし、これらは技術の限界を示すものではなく、継続的なアップデートやサービス拡大による改善対象です。

将来への期待

テスラのUnsupervised FSD計画、Waymoの東京進出やHyundaiとの提携、新AIモデル「EMMA」の開発など、両システムとも今後さらなる進化と拡大が期待されています。日本でも2025年からWaymoのテストが開始される予定であり、自動運転技術がより身近になる日も近いでしょう。

⚠️ 重要な認識:テスラFSDは運転支援システムであり、完全自動運転ではありません。ドライバーは常に道路状況を監視し、必要に応じて即座に手動運転に切り替える準備が必要です。不安を感じたら躊躇なくFSD解除し、快適な運転を優先してください。Waymoは限定エリアでのレベル4自動運転ですが、サービスエリア外では利用できません。

📚 本ガイドの元となった詳細記事:より詳しい体験レポートや動画は、以下の各ガイドをご覧ください。

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