離職率が低い会社は何が違う?競争しない経営で商品と社員を磨く【後編】

はじめに

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他社より安くする、他社より多く広告を出す、他社より早く動く。

競争の激しい業界にいると、こうした話が経営の中心になりやすいですよね。

でも、そこに力を使い続けても、あまり報われている感じがしない。

そう感じることもあります。

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前編では、競合に勝つことを経営の目的にしてしまうと、なぜ会社が消耗しやすいのかという話をしたよね。

今回はその続き。

競争を経営の中心に置かないなら、代わりに何に力を注げばいいのかという話をしていきます。

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皆さんこんにちは。エコドライブの鈴木です。

前編では、競合に勝つことを経営の目的にしてしまうと、なぜ会社が消耗しやすいのかという話をしました。

今回はその続きです。競争を経営の中心に置かないのなら、代わりに何に力を注げばいいのか。ここを具体的にお話ししていきます。

僕たちエコドライブが実際にやってきたこと、社内でどう考えているのかも、あわせてご紹介します。

競争しない代わりに、何に力を注ぐのか


勝とうとしないで、僕たちは一体何をすればいいのか。

競争しないで、何をするのか。

答えはシンプルで、力を向ける先は大きく2つあると思っています。

ひとつは、商品・プロダクトを磨くこと。もうひとつは、社員に楽しんでもらうことです。

まず、商品・プロダクトを磨くということからお話します。

「商品を磨く」は、機能を増やすことだけではない

商品やサービスを改善するというと、新しい機能やプランを追加することを考えがちです。

しかし、機能が増えるほど、使い方が複雑になったり、現場の説明や運用に負担がかかったりする場合もあります。

商品を磨くには、品質を安定させる、手続きを簡単にする、説明を分かりやすくする、

提供までの時間を短くする、購入後の対応を改善するといった方向もあります。

改善の基準は、何を追加したかではなく、お客様に届ける価値が実際に高まったかどうかだと思います。

社員に楽しんでもらい会社を好きになってもらう


そして、もうひとつの「社員に楽しんでもらう」ということ。

楽しいと、やっぱり自社商品を好きになる。

あるいは会社を好きになると思うんですね。

そうすれば、自然とお客さんはついてくると僕は思っています。

ただ、これは完全に僕の持論です。

すべての会社に当てはまる法則というつもりはありません。

皆さんはこのあたり、どう思われるでしょうか。

良い商品を作った後に必要なこと

商品やサービスの品質が高くても、その存在や違いが伝わらなければ、顧客が自然に見つけてくれるとは限りません。

誰に向けた商品なのか、どのような問題を解決するのか、他の選択肢と何が違うのかを、分かりやすく伝える必要があります。

また、一度良い体験を提供できても、担当者や店舗によって品質が大きく変われば、紹介やリピートにはつながりにくくなります。

商品を磨くこと、価値を伝えること、同じ品質で届け続けること。この3つをそろえることが、顧客との長い関係を築く土台になります。

 

「競争しない」は、市場を見ないという意味ではありません

ここは誤解されやすいところなので、先に整理しておきます。

本記事で言う「競争しない」は、こういう意味です。

  • 他社に勝つこと自体を、経営の目的にしない
  • 価格や広告や規模だけで、正面からぶつかりにいかない
  • 自社に合うお客様と、自社が届けたい価値をはっきりさせる
  • 判断の起点を、競合ではなくお客様と自社商品に置く

反対に、こういう意味ではありません。

  • 市場を全く調べなくてよい
  • 競合や、代わりになる商品を全然知らなくてよい
  • 法改正や価格水準、お客様のニーズを見なくてよい
  • 他社から学ぶ必要がない

この2つを混同すると、ただ情報を取りに行かない会社になってしまいます。

競合を全く見ないのではなく、競合への対抗を経営判断の中心に置かない。

同じように聞こえて、中身はかなり違うと思っています。

競合調査を、経営判断の出発点にしてこなかった

顧客の声をもとに自社商品の改善点を話し合うチーム
僕たちエコドライブは、競合企業の動きを追いかけることに、あまり時間を使っていません。

他社が何を始めたかではなく、自分たちのお客様が何を必要としているのか、自社の商品をどう改善できるのかを中心に考えてきたんですね。

もちろん、競合がいないわけではありません。

同じような事業をされている会社は、実際にたくさんあります。

それでも、他社の動きを見てから自社の方針を決める、という順番にはしてこなかった、ということです。

この順番にしていると、判断の材料そのものが変わります。

「他社がこうしたから、うちもこうする」ではなく、「お客様がここで困っているから、ここを直す」という考え方になっていきます。

紹介とリピーターが約7割、そして業績の推移

僕たちの場合、紹介とかリピーターさんの割合は、だいたい7割ぐらいなんですね。

紹介やリピートは、顧客体験の結果として表れる指標の一つ

紹介やリピートが多いことは、過去に利用した顧客が、もう一度相談したい、周囲にも伝えたいと感じている可能性を示します。

一方で、その割合を見る時は、問い合わせ数、来店数、成約件数、売上のどれを基準にしているかによって意味が変わります。

また、紹介が多くても、新しい顧客層へ十分に届いていない可能性もあるため、一つの数字だけで経営全体を評価することはできません。

紹介・リピートは重要な結果指標ですが、新規顧客、収益性、満足度などと合わせて確認することが大切です。

それから、ちょっと自慢のような話になってしまうのですが、コロナが起こる2020年ぐらいまでは、6年から7年ほど増収増益が続いていました。

コロナでガクッと下がった時期はありましたが、2021年ぐらいからは、また増収増益になりました。

必ず成功するという方法はありません

売上や利益の変化には、商品力、顧客との関係、社員の働き方だけでなく、市場環境、価格、供給状況、景気など、複数の要因が影響します。

そのため、競合を追わない方針や社内文化が業績へ良い影響を与えた可能性はあっても、それだけが増収増益の原因だったと断定することはできません。

今回の事例も、「この方針なら必ず成功する」という話ではありません。

エコドライブが選んできた方針と、その期間の業績を、一つの事例として紹介しています。

経営施策は、複数の指標を継続的に確認しながら評価する必要があります。

 

11年間で、自主退職は2人でした


もうひとつ、社内の話をさせてください。人の入れ替わりについてです。

動画を撮影した時点までの11年間で、自分から辞めた社員は2人でした。

ショート動画「低い離職率実現のために会社ができることとは?」でも、この話をしています。

良い職場とは個々が納得しながら力を発揮できる場所

自主退職者数は、社員の定着状況を考えるための情報の一つです。

ただし、社員がどのくらい長く働いているかを判断するには、在籍人数や勤続年数、自主退職以外の退職状況も合わせて見る必要があります。

職場の良さを考えるうえでは、社員の成長や仕事への納得感、健康状態、評価の公平性なども大切な視点です。

また、人の入れ替わりが少なければ必ず良いというわけではなく、役割や社風が本人に合わない場合には、双方が別の選択をすることもあります。

大切なのは、単に人が辞めないことではなく、納得して力を発揮しながら働き続けられる状態です。

この間、僕たちが職場づくりで特に大切にしてきたのも、さきほどお話しした2つです。

自社の商品やサービスをとにかく磨くということ。

そして、社員が楽しく仕事をできる環境にするということ、です。

「お客様第一主義ですか」と聞かれたときの違和感

たまに聞かれることがあります。「エコドライブさんって、お客様第一主義ですか」と。

そう聞かれると、正直なところ、少しだけ違和感があるんですね。

ぶっちゃけ、そこじゃないんじゃないかな、と思うこともあります。

お客様を軽く見ているという話ではまったくありません。順番の話です。

良い商品があって、社員がその商品に納得していて、無理なく働ける状態がある。

その結果として、お客様に良いものが届きます。僕はその順番で考えています。

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商品開発に、社員が最初から関わる

ですから僕たちは、商品開発から社員にしっかり関わってもらって、一緒に作るようにしています。

お客様と直接接する社員は、経営側だけでは気づきにくい質問、不満、利用上のつまずき、購入をためらう理由などを日常的に見ています。

そのため、商品やサービスを改善する際に現場の意見を取り入れると、実際の顧客体験に近い課題を把握しやすくなります。

ただし、意見を集めるだけで終わらせず、何を採用したのか、なぜ見送ったのかを共有することも大切です。

現場参加の目的は、全員の意見をそのまま採用することではなく、意思決定に必要な情報を増やすことです。

お客様と日々接しているのは、やっぱり現場の社員です。

どこで質問が出るのか、どこでつまずくのか、何が決め手になっているのか。

それを一番よく知っているのは現場なんですね。

現場が納得したうえで作った商品は、お客様に説明するときの言葉にも迷いが出にくいと感じています。

ノルマや歩合制を設けないという選択

そういう作り方をしているので、うちにはノルマとか歩合というのがないんですね。

そのためよくある社員同士のギスギスとした雰囲気もなく、良い関係性を築きながら働くことができていると思います。

それぞれの会社に合った制度で運営する

売上目標や成果報酬は、社員が優先すべき行動を分かりやすくし、成果を報酬へ反映する方法として使われています。

一方で、販売件数や売上だけを強く評価すると、目先の成約を優先し、顧客満足やチームへの協力が後回しになる場合もあります。

反対に、ノルマや歩合をなくしても、何を目指し、どのような仕事を評価するのかが不明確であれば、社員は判断しにくくなります。

重要なのは制度の有無ではなく、その制度が社員へどのような行動を促しているかです。

売上だけでなく、品質、顧客対応、再来店、チームへの貢献など、複数の視点で評価する方法も考えられます。

台数や件数ばかりを重視すると、短期的な数字に判断が偏ることがあります。

これはあくまで、エコドライブが選んだやり方です。

ノルマや歩合そのものが悪い、という話ではないので臨機応変に検討していくことが必要です。

下の名前で呼び合う会社で、何が変わるのか

役職ではなく役割の違いで働くフラットな職場
社内の環境も、めちゃくちゃフラットです。

みんな、下の名前に「さん」をつけて呼び合うんですね。

呼び方というのは、僕はけっこう大事だと思っている派です。

日本の会社だと、社長とか部長とか、役職で呼ぶことが多いと思います。僕たちの場合は、それが全くないんですね。

だから、上下関係というより、あるのは役割の違いだと僕たちは思っています。

サッカーで言えば、フォワードとキーパーの違いだったり、コーチとフォワードの違いだったり。

そういうポジションの違いがあるだけなんですね。

どっちが偉いとか、偉くないという話ではなくて、役割が違うという話です。

もちろん、役割ごとに決めることや、責任の範囲は違います。

ただ、それが話しかけにくさや、意見の言いづらさにつながらないようにしたいと思っています。

社員が「いい」と思えるものを売る、その先にある好循環

社員が本当にいいと思うものを、社員自身が売っていれば、それは楽しいと思うんですね。

そして、その「楽しい」がお客さんに伝わって、そのお客さんが、またお客さんを呼んできてくれる。

このループなんですね。

自社商品を好きになることと、問題点を指摘できることは両立する

社員が自社の商品に自信を持つことは、説明の分かりやすさや接客時の説得力につながる場合があります。

ただし、自社商品を好きであることが、弱点や問題点を言えない状態になってはいけません。

現場で感じた不便、顧客から多く寄せられる不満、安全性や品質への懸念などを率直に共有できなければ、改善の機会を失います。

大切なのは、無条件に褒めることではなく、より良くするために問題も伝えられることです。

社員が安心して疑問や失敗を共有できる環境が、商品改善の土台になります。

僕たちは、こうした取り組みが、これまでの増収増益や、紹介・リピーターの多さにも一定の影響を与えてきたのではないかと考えています。

もちろん、業績はそれだけで説明できるほど単純ではありません。

ここでお伝えしたいのは、何に力を注ぐか、ということです。

競合ではなく、自社の価値を育てるための5つの視点

  1. 商品を磨く
    機能を増やすだけでなく、品質、使いやすさ、説明、提供後の対応まで改善する
  2. 現場の情報を生かす
    顧客と接する社員が把握している、お客様からの質問や不満を商品改善へつなげる
  3. 社員が力を発揮できる環境を作る
    楽しさだけでなく、必要な情報、役割、権限、成長機会を整える
  4. 役割と責任を明確にする
    フラットな雰囲気を保ちながら、誰が何を判断するかは曖昧にしない
  5. 顧客体験まで一貫させる
    良い商品と社員の意欲を、安定した接客、紹介、リピートへつなげる

競争しない会社づくりとは、他社を無視することではなく、競合への対抗よりも、自社の商品・社員・顧客体験を良くすることに力を注ぐことです。

まとめ

今日の話をまとめます。

勝とうとしない、そもそも戦いを挑まない。それによって消耗戦を回避することが、まず大事だと思っています。

その代わり、労力は自社の商品・プロダクト開発と、従業員にかけます。

そうすることで、お客様は自然とついてきてくれる、と僕は考えています。

今日の話が、これから事業を始める方、いま事業をされている方、そして事業はしていなくても、そういうポジションにいらっしゃる方にとって、何かの参考になれば嬉しいなと思っています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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