はじめに

新しいお客さんを増やしたくて広告を出してみたのに、ほとんど反応がない。
そんな経験はありませんか。
商品には自信があるし、必要としている人もいるはず。
それなのに問い合わせが来ないと、広告の出し方が悪かったのかと考えてしまいますよね。

前編では、僕たちがコロナ禍にフードデリバリーのドライバー向けに車を貸し出そうとして、最初の広告にまったく反応がなかった話をしました。
今回はその続きです。
ドライバーにもう一度話を聞いて何が分かり、同じ車をどうやって「別の商品」に作り直したのかをお話しします。
売れない商品を売る方法を考えるとき、僕たちが実際に経験したことがヒントになるかもしれません。

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皆さんこんにちは。
エコドライブの鈴木です。
今回も、サービスや商品を提供している方に向けたお話です。
テーマは前編と同じで、新しいお客さんに届けるには、その人たちに合う商品を考えることが大切だということです。
今回は、車そのものだけでなく、料金や支払い方法、利用条件まで組み立てることを「商品化」と呼んでいます。
前編のおさらい:車はあるのに、広告には反応がなかった
コロナ禍で利用が広がっていたのが、フードデリバリーのサービスでした。
当時、貸し出しに使っていたのはトヨタのプリウスで、燃費が良く、荷物も積める車です。
車だけはたくさんありましたから、「デリバリーのドライバーさんに貸し出せるんじゃないか」と思ったわけです。
ところが、さっそく広告を出してみたものの、結果はまったくダメでした。
全然連絡が来なかったんです。
車を必要としている人はいるはずなのに、なぜ反応がないのか。
そこで、別のドライバーさんに改めてしっかり話を聞いてみることにしました。
もう一度ドライバーに聞いて分かった、顧客ニーズと本当の困りごと

話を聞いてみると、見えていなかった事情がいくつも出てきました。
- 走行距離がとにかく長い:毎日毎日、あちこちに料理を届けるので、走る距離がものすごく多い
- 収入は週に1回:報酬は週単位で支払われる
- メンテナンスの頻度が高い:オイル交換などのメンテナンスが、普通の使い方とは比べものにならないくらい頻繁に必要になる
- 保険料が高い:保険料の負担がとても大きい
「車が必要な人がいる」ということは分かっていても、その人たちがどんな働き方をしていて、どんなお金の出入りの中で暮らしているのかまでは見えていなかったんですね。
困りごとに合わせて、サービスの中身を組み直した

そこで、ドライバーさんたちの困りごとを解決できるように、サービスの内容を一から作り直しました。
ここで紹介するのは、コロナ禍に実施し、その後取りやめた配達ドライバー向けプランの当時の条件です。
- 頭金なし
- 走行距離は無制限
- 支払いは週に1回
- メンテナンス費込み
- 保険込み
走る距離や収入のサイクル、維持費の負担に合わせて、借りやすい条件を考え直したんですね。
料金も、こうした条件とあわせて見直し、それまでの3倍にしました。
広告を出し直したら、電話が鳴りやまなかった
この新しい内容で改めて広告を出したところ、今度は電話の嵐でした。
「借りたい」「借りたい」という連絡が次々に来て、一気に30台ほど貸し出すことができたんです。
最初の広告と比べて、使っている車は何も変わっていません。
物はまったく同じなのに、別の商品として作り直したということです。
売れたことと、利益が残ることは別
問い合わせや契約が増えても、事業全体で利益が残るとは限りません。
貸し出しでは、維持費に加え、未払いや車両回収の費用も含めて収支を確かめる必要があります。
このサービスのその後について
ただ、その後は支払い遅延や車の未返却が相次ぎ、配達ドライバー向けの貸し出しは取りやめました。
振り返ると、5万ドルほどの損失はあったと思います。
その経緯と学びは、配達ドライバー向けの貸し出しで経験した失敗と教訓で詳しくお話ししています。
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ホテルの宿泊プランと同じ考え方

これは、ホテルや民宿の宿泊プランを思い浮かべると分かりやすいと思います。
同じ建物、同じ部屋でも、宿泊プランにはいろいろな種類がありますよね。
- 貸し切り風呂の付いたカップルプラン
- 忙しいビジネスパーソン向けの素泊まりプラン
- 食べ放題付きのファミリープラン
部屋そのものは同じでも、誰に向けて、どんな条件を付けるかで、まったく別の商品になります。
車の貸し出しでやったことも、これと同じです。
いろいろなお客さんに向けた商品があれば、ある層からの需要が落ち込んでも、ほかのお客さんに支えていただける可能性があります。
会社が生き残るための備えになると僕は考えています。
コロナ禍を経て、広がったお客さんの層
コロナ禍のあと、エコドライブはV字回復できたと実感しています。
当時はリースのお客さんの多くが留学生でしたが、その後は駐在員の方や企業の方にも車を借りていただくようになりました。
さらに、レンタカーや車のサブスクサービスも始めました。
そうしたところ、それまで取り込めていなかったお客さんにも使っていただけるようになりました。
- 観光客
- 短期出張のお客さん
- 短期留学生
ここでも、貸しているのは同じ車です。
誰に向けて、どれくらいの期間、どんな形で貸すのか。
その組み立てを変えることで、新しい顧客層に届く商品が生まれていきました。
お客さんの声から考えた「サーファー向けプラン」

あるとき、こんなことがありました。
レンタカーを借りていただいたお客さんが、たまたま日本人のサーファーの方で、「サーファー向けのプランを作ってくれませんか」と言われたんです。
詳しく聞いてみると、そのお客さんにはこんな希望があったんです。
- 車は大きい方がいいので、ミニバンがいい
- サーフトリップであちこち行くので、走行距離の上限は多めがいい
- 車内で着替えることがあるので、外から見えないようにしてほしい
なるほど、そういう需要があるのかと思いました。
動画でお話しした時点ではアイデアの段階でしたが、例えば次のようなサービスを考えていました。
- 駐車中の着替えに使う、目隠し用のカーテンを用意する
- バーベキューができる場所で使えるコンロを用意する
- 車内に冷蔵庫を付ける
- サーフボードを短期間預かる
実際に車両へ装備を取り付けるとなれば、安全面や保険、清掃など、確認しなければならないことも多くあります。
新しいプランは、共通の仕組みを生かして小さく試す
新しいプランを作る際は、予約管理や車両管理など共通化できる業務はそのまま生かし、保険や安全面の要件は用途ごとに確認する必要があります。
複数のお客さんへの聞き取りや小規模な試行を通じて、需要と運用の負担を確かめていくのが現実的です。
まとめ
今回は、広告に反応がなかった車の貸し出しを、ドライバーさんへの聞き取りをもとに作り直した話をしました。
売れない商品を売る方法として、商品そのものではなく、利用条件を見直した例です。
- ドライバーさんに、走行距離や収入のサイクル、維持費について聞き直した
- その話をもとに、支払い方法や走行距離、費用の負担を見直した
- 広告を出し直すと、30台ほどの貸し出しにつながった
- ただ、その後は支払い遅延や未返却などで損失が出て、この貸し出しは取りやめた
新しいお客さんに届けたいときは、その人たちの使い方や困りごとに、商品や利用条件が合っているかを見直すことが大切だと思います。
ただし、問い合わせが増えたことと、長く利益を出せる事業であることは別の話です。
小さく試しながら、需要だけでなく運用や採算まで確かめていくことも欠かせません。
リスク分散のために新しい顧客層を取り込むこと、そしてそのために商品化を行うこと。
今回はそんなお話をさせていただきました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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