アメリカの自動車保険の基本を解説!なぜ最近の車の保険は高いのか

アメリカの自動車保険完全解説 – システムから選び方まで

みなさん、こんにちは、エコドライブの鈴木です。

今日はアメリカの自動車保険について解説していきます。

前半部分ではアメリカの自動車保険の基本について解説し、後半では実際のカルフォルニアの保険事情について説明していきます。

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最近アメリカで運転し始めたんだけど、自動車保険の仕組みがよく分からなくて…。

日本とは違う内容もあるみたいだし、どんな保険に入ればいいのかな?

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そうだね。

アメリカの保険は大きく分けると強制保険と任意保険のというものがあるんだ。

まずはその基本から説明していくね。

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基本的な保険の種類

基本的な保険の種類
アメリカの自動車保険には大きく分けて二つあります。

一つ目は強制保険である対人対物保険(Liability Coverage)、そしてもう一つは任意保険であるオプショナルカバレッジ(車両保険)です。

車両保険には2種類あり、コリジョンカバレッジとコンプリヘンシブカバレッジがあります。

さらに、無保険車保険(Uninsured Motorist)もあります。

各保険の補償内容

コリジョンカバレッジは車同士の事故に対する補償です。

車同士で事故を起こして自分の車が傷ついた場合の補償となります。

コンプリヘンシブカバレッジは、車同士の事故以外での自分の車に対する補償です。

例えば:

– 車両盗難

– 落下物による破損

– 災害(洪水、火災)

– 動物との接触事故

などによって起きた車のダメージを補償します。

無保険車保険の必要性


無保険車保険(Uninsured Motorist)は、万が一自分の車が事故に遭い、相手が保険未加入だった場合に有効です。

事故の際に自分の保険を使って、車の修理や同乗者の治療費を補償できる保険です。

はい。ここで皆さんから疑問が出るかもしれません。

「待って、アメリカは強制保険が対人対物なのに、相手が保険に入っていないことがあるの?」という疑問です。

実はこれがアメリカの現状なのです。

保険料がかなり高額なため、対人対物の強制保険に加入せずに運転している人も少なくありません。

そのため、万が一そういった無保険の人に事故を起こされた場合に備えて、無保険車保険などに加入しておくことも一つの選択肢となります。

保険加入の基本的な構造

保険加入の基本的な構造

アメリカで運転するためには、強制保険である対人対物保険に必ず加入しなければなりません。

そして、それに加えてオプションとして:

– 車両保険(コリジョンカバレッジ、コンプリヘンシブカバレッジ)

– 無保険車保険

を任意で選択する形になります。

アメリカ独自の補償上限額システム

日本では保険の上限額がないことも多いかと思うのですが、アメリカでは上限額が設定されています。

これは、アメリカが訴訟社会であることが背景にあります。

保険会社が訴えられた際、無制限の補償だと際限なく賠償金を請求される可能性があるため、保険会社が自身を守るために上限額を設けているのです。

州ごとの最低補償額

州によって最低補償額が定められており、その金額以上の保険に加入していないと、その州で車を運転することができません。

例えばカリフォルニア州の最低補償額は:

– 大人一人当たり15,000ドル

– 大人一事故当たり30,000ドル

– 対物一事故当たり5,000ドル

となっています。

この最低補償額は州によって異なるため、運転する予定の州の基準を事前に確認して加入することが重要です。

おすすめの保険上限額

おすすめの保険上限額

保険の上限額は5つのパターンに分かれているのですが、どの程度の保険上限額を選ぶべきかについてよくお客様から質問を受けます。

これは予算によってもおすすめは変わってきますが、最低限の保険ではなく、中級以上の保険に加入することをお勧めしています。

中級保険の上限額は:

– 大人一人当たり5万ドル

– 大人一回の事故合計額10万ドル

– 対物2万5000ドル

そして可能であれば、上級保険への加入をお勧めします:

– 大人一人当たり10万ドル

– 一回の事故合計額30万ドル

– 対物5万ドル

最高級の保険プラン

さらに余裕がある場合は、最高級の保険もあります:

– 大人一人当たり25万ドル

– 一回の事故合計額50万ドル

– 対物10万ドル

もちろん、この最高級の保険に入っておけば安心ですが、予算の都合もあると思います。

先ほど説明した中級保険(大人一人5万ドル)か上級保険(大人一人10万ドル)に入っておけば、十分な補償が得られると考えています。

保険料を決定する要因

では、アメリカの自動車保険料が何によって決まるのかについて解説していきます。

保険料は保険会社のリスク評価によって決定されます。

その主な要因として:

車両自体のリスク:

高級車の場合、保険料は高くなります。

年齢によるリスク:

若ければ若いほど事故リスクが高まるため、若い方の保険料は高くなります。

エリアによるリスク:

地域による事故率の違いが影響します。都市部は車が多いため事故率も高くなり、保険料も上がる傾向にあります。

免許歴によるリスク:

免許取り立ての場合は保険料が高くなります。

この内容に基づいて、優良免許保持者や長い免許歴がある場合は、保険料が下がる傾向にあります。

また、既婚か未婚かといった要因によっても保険料が変動することがあります。

任意保険への加入判断

任意保険への加入判断

次に任意保険への加入について解説していきます。

これは私たちがお客様からよく質問される内容ですが、任意保険であるため、最終的な加入判断はお客様に委ねられます。

ただし、私個人としてはよほどの事情がない限り加入すべきという立場をとっています。

確かに任意保険に加入すれば保険料は上がってしまいます。

それでも万が一事故を起こしてしまった時、あるいは事故に巻き込まれてしまった時に、保険会社から支払われる補償額は手厚くなります。

特にアメリカは多様な人種の方々が暮らしており、それぞれの文化や常識の中で運転をしています。

私たちの実感として、最近は事故率がかなり上昇しているという印象を受けています。

さらに車両盗難や車両パーツの盗難も非常に多発している印象があります。

自分に全く落ち度がないのに被害に遭うケースも多く、そういった被害を完全に避けることは難しいのが現状です。

任意保険が不要なケース

ただし、元々のリスクが少ない場合は任意保険に加入する必要がないケースもあります。

例えば:

– 個人売買で非常に安価で購入した車

– 譲り受けた車

– 車の価値が1,000ドルや2,000ドル程度しかない車

このような場合、万が一事故に遭ったり、車が盗難に遭ったりしても、リスクは比較的小さいと言えます。

車両の価値が低い場合、高額な保険料を支払って任意保険に加入するのはバランスが悪いため、そういったケースでは任意保険に加入しなくても良いかもしれません。

保険加入方法の選択

続いて、保険代理店を通して保険に加入すべきかについて説明します。

保険加入には、保険代理店を通して加入するパターンと保険会社に直接連絡して加入するパターンの2通りがあります。

保険会社への直接加入は、現在ではホームページから見積もりから加入まで完結できます。

一方、保険代理店の場合は、電話やメールで直接連絡を取って見積もりを依頼することになります。

保険代理店は複数の保険会社と提携しているため、お客様にとってより良い条件の保険への切り替えなどのアドバイスができるというメリットがあります。

保険会社選びのポイント

保険会社を選ぶ基準についてですが、これは非常に重要な問題です。

私は特にカスタマーサポートを重視しています。

実際に何度か保険会社を変更してきた経験から、カスタマーサポートの質は会社によって大きく異なることを実感しています。

事故発生時には、代理店を通していても保険会社に直接説明する必要がある場合があります。

カスタマーサポートが不十分な会社では、同じ説明を何度もしなければならないなど、社内での情報共有が適切に行われていないケースがあります。

良いカスタマーサポートの条件として:

– 連絡に対する確実な返信

– 迅速な対応

– 担当者間での情報共有の徹底

などが挙げられます。

日本人からすると当たり前に思えるこれらのサービスが、保険会社によって大きく異なるのが現状です。

実際に使ってみないと分からない部分も多いですが、知人の経験談や保険会社のレビューサイトなどを参考にして判断されることをお勧めします。

重要な2つの追加アドバイス



一つ目のアドバイスは、海外の免許歴を考慮してくれる保険会社が存在するということです。

日本で優良運転者(ゴールド免許)の方は、そのゴールド免許を用意するか、日本の所定機関で発行される運転記録証明書の英訳版を用意することをお勧めします。

二つ目のアドバイスは、ドライブレコーダーの設置を強く推奨するということです。

アメリカで運転される方は、ドライブレコーダーを必ず装着することをお勧めしています。

その理由は、事故発生時の動かぬ証拠となるからです。

アメリカでは様々な人種が異なる常識の中で生活しているため、事故の際に「私は悪くない」という主張が多く見られます。

また、事故時に「I’m sorry(申し訳ない)」と言ってはいけないと教えられているため、当事者同士で揉めるケースが非常に多いのです。

特に、相手が高圧的な態度をとってきた場合、言語の壁もあって弱い立場に立たされ、自分に非がなくても示談金を支払ってしまうようなケースも多々あります。

ドライブレコーダー設置のメリット

このような事態を防ぐためにも、ドライブレコーダーは重要な役割を果たします。

確かに数百ドルの初期投資は必要ですが、万が一の時には非常に重要な証拠となります。

また、前方だけでなく、後方も撮影できるよう、フロントとリアの両方にカメラを設置することをお勧めします。

自己申請のしやすさも重要な選択基準

また、自己申請のしやすさも重要な選択基準です。

いまだに電話でしか手続きができない保険会社もありますが、それは非常に面倒です。

メールやウェブサイトから申請できる会社、特にスマートフォンアプリを提供している会社が便利です。

アプリがあれば、事故の写真を送ったり、スムーズなコミュニケーションが取れたりするため、これも大きなポイントとなります。

カリフォルニアが抱えている自動車保険に関する問題

さて、ここからは現在カリフォルニアで起きている自動車保険の問題について共有したいと思います。

まず、アメリカでは車を所有するために保険加入が必須となっています。

日本も同様だと思いますが、車の購入と保険の加入はセットという考え方です。

保険料高騰の背景



現在、大きく2つの問題があり、1つ目は保険料の高騰です。

端的に言えば、保険会社にとって「割に合わない」状況になっているのです。

保険のビジネスモデルは、多くの人から保険料を集めてプールしておき、事故などの不測の事態が起きた時にそのプールしたお金から支払いを行います。

そこから人件費、広告費、家賃などの固定費を差し引いた残りが保険会社の利益となります。

問題は、最近のインフレーション(物価上昇)により、不測の事態が起きた時に保険会社が負担する額が非常に高額になっていることです。

特にカリフォルニアでは物価上昇率が著しく、部品代や修理の工賃なども大幅に上昇しています。

これは即ち、保険会社の負担額が増大しているということです。

盗難増加の影響

もう一つの大きな問題は盗難の増加です。

盗難保険は通常セットで付いているため、車両やパーツの盗難があった場合、保険会社が支払いを負担することになります。

これも保険会社の負担増加の一因となっています。

さらに、保険会社自体の人件費や家賃などの固定費も上昇しています。

保険料の具体的な上昇例

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これらのコストを差し引いても利益を確保するために、保険会社は売上、つまり保険料を上げるしか方法がありません。

以前は年間2,000ドル(当時のレートで約20万円)程度で保険に加入できましたが、現在は状況が大きく変わっています。

例えば、外国人留学生や国際免許で来られた方が新規で自動車保険に加入しようとすると、年間で5,000ドルもかかってしまいます。

現在の円安を考えると、日本円で70~80万円程度になります。(1ドル=150円の場合)

さらに酷い場合は、年間8,000ドル(約120-130万円)という見積もりも出ています。

これは車両価格ではなく、あくまで保険料の金額です。

特に若い世代は深刻で、20代前半で国際免許を取得したばかりの方だと、年間の保険料が1万ドル(約150万円)を超えるケースもあります。

このような保険料の高騰が、現在の大きな問題となっています。

加入までの待機期間問題

2つ目の大きな問題は、待機期間が設定され、加入までに非常に時間がかかっているという点です。

一昨年までは通常、見積もりから加入まで当日中に完了できていましたが、昨年の終わり頃から今年にかけて、待機期間というものが設定されるようになりました。

加入までに2週間、最悪の場合は3週間もかかることがあります。

これは深刻な問題で、「その待機期間中はどうすればいいのか」という疑問が出てきます。

生活があるのに車が使えないという状況に陥ってしまうのです。

保険会社側の説明では、リスク回避のための審査期間という建前のようですが、実際には固定費削減の影響もあると考えられます。

保険会社の従業員削減による人件費カットで人手不足となり、手続きが遅くなっている可能性があります。

これは私の推測ではありますが、あえて手続きを遅くすることで加入者を減らそうとしているのではないかとも考えられます。

東京海上の事例

そんな中で私たちがどのように対応していたかというと、唯一例外的に保険料の上昇も少なく、加入手続きも早かったのが、日本の企業である東京海上日動という保険会社でした。

おそらく皆さんご存知の大きな会社です。

東京海上はアメリカに進出しており、日本からの顧客をかなり優遇していました。

例えば、国際免許での加入でも保険料をそれほど上げずに、手厚いサポートで加入させていただいていました。

そのため、私たちは日本から来られたお客様には東京海上をお勧めしていました。

私個人的にも東京海上にはお世話になっており、恐らくアメリカの保険会社ではなく、東京海上で保険に加入している方は非常に多いのではないでしょうか。

市場からの撤退と産業の危機

市場からの撤退と産業の危機

しかし、突然「東京海上カルフォルニアから撤退」というニュースが入ってきて、非常に驚きました。

それだけ現在の保険業界は厳しい状況にあり、おそらく全く採算が取れていないのだと思います。

特にカリフォルニアは事故率も高く、物価も人件費も高いため、ビジネスを展開するのが非常に難しい環境になってきているのです。

カリフォルニアでは保険会社によっては新規受付を停止するというアナウンスを出しているところもあります。

この状況を見ていると、これまで悩みではなかったことが悩みに変わる瞬間を目の当たりにしているような感覚があります。

深刻化する経済的負担

今までは保険料は当たり前のように支払うものという認識で、特に悩みではありませんでした。

しかし、年間5,000ドルという高額な保険料は、大きな悩みとなります。

金額があまりにも高すぎて、車の所有自体を考え直さなければならない状況です。

特に学生の場合が深刻です。

日本からの駐在員や法人の場合は、コスト増の部分を売上でカバーできますが、学生の場合はアメリカで収入があるわけではないため、純粋な支出増となってしまいます。

家賃や学費も上昇している中、さらなる負担は非常に厳しいものがあります。

代替手段の限界

カリフォルニアは日本と違い、バスや電車などの公共交通機関が充実しているわけではないので、車がないとどこにも行けません。

そうなると、車を所有するか、UBERなどの配車サービスを利用する生活を選ばざるを得ません。

しかし、UBERで通学というのは非常に不便で、どこに行くにもチップを払いながらという生活は、かなり制限されてしまいます。

このような状況の中で、私たち事業者として何ができるか、どんな価値を提供できるのか、真剣に考えていかなければならないポイントだと感じています。

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